2022年の電気料金は、化石燃料の高騰と為替の影響で値上げが続いています。
一部、燃料費調整制度の上限を撤廃するプランも出てきており、今後さらに家計や事業の経費に深刻な影響が出るものと思われます。
今夏は、資源不足や発電所休止による電力のひっ迫が課題となりました。
冬も見通しは厳しく、10年に一度の厳寒を想定した場合、1月に北海道と沖縄以外で需要に対する予備率が3%を下回るとされるとの統計データもあります。
「今の電力消費の状況を知って」「節電対策をする」ことは、電力不足への備えになると同時に日々のコスト削減にもつながります。
目次
月1回の電気使用量のおしらせで前月のまとまった使用量はわかりますが、もっと具体的に使用状況がわかる方法があれば節電にも取り組みやすくなります。例えば「時間帯」「家電製品」「気温」など、使用量はいろんな条件で変わります。
スマートメーターの普及率は2022年時点で約9割、東京電力管内では100%となっています。スマートメーターには通信機能があり、30分単位の使用量や設置場所を取得できるしくみがあります。電力会社は検針業務の自動化のほか、利用者向けに電気の利用状況を可視化できるWebサービスやアプリを提供しています。
■ 関西電力のアプリ(はぴeみる電)例
節電ポイントへの参加はWebやアプリへの登録が要件になっていることも多いので、この機会に是非契約している電力会社のサービスを活用して「今を知る」ことから始めてはいかがでしょうか。
上記の方法では、各家庭のメーター単位での利用状況がわかります。実際に見える化すると、あれ?数値と感覚が違う?ということもあるかもしれません。ピークシフトなど時間帯で電気料金が異なる契約プランを選択されている場合は、利用状況と想定がずれているとコストへの影響も大きくなります。
そうなるともう一歩進んで、それぞれの家電の消費電力が実際にどのくらいなのかを知りたくなります。個別の家電の使用量を取得できれば、どの家電の節電を優先的に取り組むべきか、その取り組みに対してどれくらい効果があるかを可視化できます。
そんなときはワットチェッカーが便利です。ワットチェッカーは、測定したい家電のプラグを接続すると、その家電の消費電力量などを計測。ログから、時間単位や日単位の使用量を把握できます。
➤ 消費電力量で稼働状況を可視化する「ワットチェッカー」紹介ページ
経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」には、省エネへの取り組み方、電力の需給見通しがわかるでんき予報、事業者への補助金制度などさまざまな情報が充実しています。その中に、家庭における家電製品の消費電力割合のデータがあります。
➤ 省エネポータルサイト(経済産業省資源エネルギー庁)
家庭での消費電力トップ3は、エアコン、冷蔵庫、照明。あとは待機電力とテレビが合わせて1割ほどを占めています。できるだけ効果が高く、無理のない節電対策を続けたいものですね。
省エネポータルサイトで紹介されている節電対策を、以下にまとめました。
公式サイトではより詳しい対策の内容や効果の目安が参照できます。
一定期間、時間帯などでモードや設定を変えてみて、電力会社のデータと照らし合わせてコストパフォーマンスのよい運用を見つけるのがよいでしょう。
ワットチェッカーは100V専用です。
8畳くらいまでの比較的小型の100Vタイプのエアコンであれば、ワットチェッカーで計測できますが、200Vの機種の場合は使用できないので注意が必要です。
エアコンの自動温度制御だと、ちょうどいい温度にならない、冷えすぎる(暖まりすぎる)ということはないでしょうか。smaliaスマートリモコンを使い、部屋の温度に合わせて温度設定を変えることで、快適性を保ちつつ節電する方法もあります。(スマートリモコンでの具体的な運用については、別の機会にご紹介したいと思います)
温度設定を強から中にしたら、庫内を整理してものを減らしたら、どのくらい節電になるか。ワットチェッカーなら、コンセントが裏にあっても一度つけてしまえばスマホでらくらくデータがとれます。
スマホの操作で家電への電源供給オフも活用。セカンド冷蔵庫は夏だけ利用しているなどの場合、コンセントを抜かなくても入り切りがおこなえます。
ひとつ当たりの省エネ効果は小さく見えますが、家や事務所の照明をすべてLED電球に変更すると大きな効果が期待できます。
ワットチェッカー導入は据え置きの照明や卓上照明などは問題ありませんが、天井取り付け照明へは美観や強度の問題があり継続運用は難しいかと思います。そんな場合は一時的にワットチェッカーを接続して、照明の種類や明るさごとの消費電力をデータとして取得。運用の目安にするという使い方ができます。
外出時の照明の消し忘れ。Wi-Fiモデルなら、手元で消費電力を確認してついているようであれば電源を切ることができます。
また、赤外線リモコン対応照明なら、smaliaスマートリモコンを使って部屋の明るさを確認してから消すことが可能です。(スマートリモコンでの具体的な運用については、別の機会にご紹介したいと思います)
基本は、使わないときは電源をつけない、省エネに配慮した設定にする、です。
不在時の待機電力対策は、スマホの操作で電源供給のオンオフができるワットチェッカーがあれば、コンセントからプラグを抜く必要なくおこなえます。
電気の使用状況を把握するには、継続的な使用量の計測が必要です。
ラトックシステムのワットチェッカーは、リアルタイムの計測値だけでなく、定期的に測って本体にログを蓄積します。ログはアプリで取得し、グラフ表示やCSV保存がおこなえます。
ログには、日単位の1ヶ月データ、時間単位の1日データ、分単位の1時間データの3種類のデータがあります。1日データをみると、どの時間帯によく使われているかがわかります。
【ログの種類】
1ヶ月データ:年/月/日,消費電力量(Wh)
1日データ:年/月/日,時,消費電力量(Wh)
1時間データ:年/月/日,時:分,消費電力量(Wh)
それぞれ1500件の保存が可能で、たとえば時間単位では2ヶ月分の消費電力量のデータを本体に蓄積できます。
ワットチェッカーには、Wi-Fiルーター経由でスマホとつながるモデル(Wi-Fi ワットチェッカー RS-WFWATTCH2)と、Bluetoothで直接接続するモデル(Bluetoothワットチェッカー RS-BTWATTCH2)があります。
Wi-Fiワットチェッカー
RS-WFWATTCH2
(3ピンプラグ搭載)
Wi-Fiワットチェッカー
RS-WFWATTCH1
(2ピンプラグ搭載)
※RS-WFWATTCH1(出荷完了)を後継製品のRS-WFWATTCH2に変更しました(2024.7.8)
ワットチェッカーは、消費電力、電圧、電力、消費電力量、測定経過時間の5種類のデータを計測します。アプリではこれらの値に加えて、CO2排出量と電気料金を算出し表示します。電気料金の単価とCO2排出係数は、手動で設定できます。
電気料金は全国家庭電気製品公正取引協議会が設定している「新電力料金目安単価」で算出してもいいですし、ご契約の料金プランに合わせて設定してもいいでしょう。新電力料金目安単価は、2022年7月22日に27円/kWhから31円/kWhに変更となりました(参考)。契約プランの単価は、時間帯ごとや使用量などの条件で異なることがほとんどです。精度の高いコスト計算をするなら、CSVデータをもとにExcelなどで管理する方法もあります。
CO2排出係数は、一定期間どのような電源(石炭、石油、LNG、原子力など)を使っているか、需要状況はどうだったかで算出され、電力会社によって異なります。例えば2021年度の場合、東京電力は452 g-CO2/kWh(参考)、関西電力は308 g-CO2/kWh(参考)、中部電力は388 g-CO2/kWh(参考)となっています。
節電を実行している実感がわきやすい表示で可視化をするのも、取り組み継続の秘訣と言えるでしょう。
ワットチェッカーにご興味をおもちいただきました法人のお客様、お気軽にお問い合わせください。オンラインミーティングにも対応いたします。
本製品はiOS、Android、Windowsアプリで運用可能なほか、既存サービスへの組み込みが可能なコマンド仕様の提供に対応。ソリューション提案のデバイスとしても、ぜひご検討ください。