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冷蔵(チルド)食品の保管温度、きちんと管理できていますか?

2024.07.22

~食品倉庫の冷蔵(チルド)温度は、温度帯にあわせてIoTで管理~


10月に入っても25℃を超える夏日が続いている地域が多くあります。夏から秋は細菌が増殖しやすい時期で、食品では精度の高い温度管理が必要となる季節でもあります。

🔗出典:食中毒が多い季節は?(農林水産省)

倉庫の温度区分、4温度帯について

食品や飲料には、それぞれ品質保持や衛生面を考える上で適した温度があります。
倉庫での保管温度帯は、大きく4つに分けられています。区分のなかで、食品に合わせた適正な温度管理をおこないます。

1.常温(ドライ)

温度調整しない室内の温度です。日本工業規格では5~30℃となっています。
低コストで、缶詰や保存食など外気の影響を受けない保存に向いています。

2.冷蔵(チルド)

-5℃~5℃。野菜や精肉、鮮魚、加工食品などの保存に向いています。
要冷蔵の幅広い食品保管をおこなう温度帯ですが、ちょっとした変化が品質に影響を及ぼすため、管理が難しいとされています(後述)。

3.冷凍(フローズン)

-15℃以下。おもに冷凍食品や凍結肉、冷凍魚の保存に適しています。
ほぼ低温細菌が繁殖できない温度です。

4.定温

温湿度が一定に保たれている状態です。温度は10℃~20℃が多くなっています。
冷蔵ではないが温度管理が必要な、ワインやナッツ、チョコレートなどの保管に利用されます。
(大量調理施設衛生管理マニュアルでは、これらの保存温度は15℃以下とされています)
倉庫の中には、夏場は定温、それ以外は常温としているケースもあります。
 
常温、冷蔵、冷凍は3温度帯で、定温を加えたものが「4温度帯」です。

 

厳密な温度管理が求められる冷蔵(チルド)

冷蔵(-5℃~5℃)は、特に食品で温度管理に気をつけたい温度帯です。
家庭用冷蔵庫でも冷蔵室(2℃~5℃)のほか、加工食品を長期保存するチルド室(0℃~3℃)や肉や魚の鮮度を保つパーシャル(-3℃付近)といった使い分けがされているほどで、わずかな温度の違いが品質に影響します。
 
0℃以上は低温細菌が繁殖できる温度です。10℃以下の保存が指定されている食品は多いですが、繁殖が遅延するだけで死滅しているわけではないので注意が必要です。また、-5℃~-1℃(最大氷結晶生成帯)は食品に含まれる水分が凍りやすいため、品質が低下する可能性があります。


0℃以上では細菌繁殖のリスク

-5℃~-1℃では品質低下リスク

IoTで倉庫の温度管理を省力化

冷蔵設備の温度設定が適切におこなわれていても、場所や置き方によって温度に差が生じます。
さらに、細菌繁殖や品質劣化の要因である庫内の温度変化に気づくためには、点ではなく線で把握することも重要です。
 
そこでおすすめするのが、IoT技術を使用した温度の計測と記録です。
庫内に設置した温度センサーで自動的に計測、定期的にクラウドに送信して記録します。
温度データやグラフは、離れた場所からでもスマホやPCで確認できます。
 
温度計まで足を運んで記録する必要がなく、人手をかけずに手元で状況を把握することが可能です。

IoT化で倉庫の温度管理を省力化する「ハサレポ」

HACCP対応温度管理システム「ハサレポ」は、食品の温度管理に特化したIoTシステムです。
複数箇所に設置した温度データをあつめて、状況を一覧で表示したりグラフで確認するなどの一元管理がおこなえます。

1.測りたい場所にセンサーを設置

無線通信用のボックスと2本のサーミスタセンサーの先端までの距離は各5mボックス内蔵のセンサーを含めると3点を測ることができます。
下図のプレハブ冷蔵庫では、無線を飛びやすくするためボックスを外に取り付け、庫内の測りたい場所にセンサーを取り付けています。
センサーのデータは無線でゲートウェイに転送され、セルラー回線(LTE-M)を介してクラウドに接続します。Wi-Fiのない環境にも導入が可能です。

2.庫内の温度を常時記録

センサーは定期的(5分ごと)に温度を計測します。手書きのときのように決まった時間に巡回する必要がないだけでなく、夜間や休日の記録にも対応できます。

3.遠隔から温度を把握

温度はスマホやPCを使って、いつでも確認可能です。その場に足を運ばなくても、温度の変化を常時可視化できます。

4.異常時は通知でおしらせ

あらかじめ通知を受けたい温度を設定しておくと、もしものときはスマホにプッシュで通知します。
扉の開閉や荷物配置の変更などで想定より高い温度になったときでも迅速に気づくことができ、品質劣化を未然に防ぎます。

5.帳票作成までサポート

計測データや入力した食品保管の記録を帳票に出力し、記録書作成の手間を省きます。
HACCP調査の際、指定月などの条件検索で温度の記録をすぐに見つけて帳票印刷。また、物流の委託先から、荷物を保管している温度推移の提出依頼があっても、データや帳票を迅速に渡すことができます。

冷蔵倉庫の等級「冷蔵」の温度範囲をサポート

大量調理施設衛生管理マニュアルでの適正温度

厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルでは、食品ごとの保管温度が示されています。

🔗出典:食品等事業者の衛生管理に関する情報(農林水産省)
 

倉庫業法での適正温度例

倉庫業法では、細かな等級が定められています。
ハサレポの温度センサー(サーミスタ)の計測温度範囲は「-30~80℃」であり、冷蔵(C級)をサポートしています。
 
以下は「大量調理施設衛生管理マニュアル」にある食品の一部をはめこんだものです。カッコ内は業界向けHACCP手引書などの情報をもとに入れています。

一般区分 冷蔵倉庫 食品の適正温度
等級 温度区分
冷蔵(C級:チルド級) C3級 0℃~+10℃未満 食肉、食肉製品、生鮮魚介類(5℃以下)、ゆでだこ、生食用かき、魚肉ソーセージ、かまぼこ、ラード、マーガリン、卵、生鮮果実・野菜、乳製品
C2級 0℃~-10℃未満
C1級 -10℃~-20℃未満 冷凍食肉/鯨肉、冷凍ゆでだこ、生食用冷凍かき、冷凍食品、冷凍魚練り製品 ※以上、いずれも-15℃以下
(冷凍パン生地、アイスクリーム類及び氷菓 -18℃以下)
冷凍(F級:フリーザー級) F1級 -20℃~-30℃未満
F2級 -30℃~-40℃未満
超低温(SF級:スーパーフリーザー級) F3級 -40℃~-50℃未満 (冷凍マグロ -45℃以下)
F4級 -50℃以下

 
HACCP対応温度管理システム「ハサレポ」についての詳細やカタログのダウンロードは、以下よりお願いいたします。

 
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