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【無線化&クラウド構築の手間を削減】既存設備をスマート化できるIoT通信キットを解説

2024.11.18

なぜIoT化が必要とされているか

さまざまなものがインターネットにつながるIoT技術は、単なるデジタル化ではなく、現場の生産性向上と安全性の確保に貢献する技術です。現場の無人化や状況の把握を効率化するため、幅広い分野でIoT化がすすめられています。
 
IoTでは常時デバイスがクラウドと接続し、人の手ではむずかしい「24時間体制」のデータ収集と分析がおこなえます。記録の自動化ほか、異常を検知したときには通知することで、迅速なトラブル対応が可能に。これにより、稼働率の向上やメンテナンスコストの削減が期待できます。また、遠隔地からいつでも監視や操作が可能で、メンテナンスのために現場へ赴く必要がなくなり、人手不足の解消や労働コストの削減にも役立ちます。

既存設備IoT化の壁「無線化とクラウド構築」

これからIoT化を進めるうえでの壁となるのが、「無線に対応していない既存の機器をどうするか」「通信インフラやクラウド環境をどう整えるか」という点でしょう。新工場の建設など、設備入れ替えや新規システム導入のタイミングなら問題なくても、既存設備に通信機能を追加してIoT対応にアップグレードとなると敷居が高くなります。

IoT通信キットで既存設備をそのまま無線化

そこで活用してほしいのが、「IoT通信キット」です。既存の設備に接続して無線化し、設備の入れ替え不要で現場のIoT化を実現するソリューションです。プログラム開発は自前でできるが、制御盤などをどう無線化するかが悩ましい、といった課題を解決します。

機器の無線化を実現する通信ユニット

無線化したい機器には専用の通信ユニットを取り付けます。このユニットは、機器の出力信号を無線で送信したり、クラウドから制御信号を受信して機器に渡す役割を担います。クラウドとのデータのやり取りは、ゲートウェイを介しておこないます。

Wi-Fi不要!920MHz帯通信で安定伝送

IoT通信キットは無線通信には920MHz帯のWi-SUN(ワイサン)を採用しており、Wi-FiやLAN環境を敷設しなくても無線環境を構築できます。2.4GHz帯と比べて電波干渉が少なく、長距離の伝送が可能です。ゲートウェイと通信ユニット間の通信距離は、中継器を使用することで見通し最大1000mまで対応します。機器間の通信はすべて無線で、現場のレイアウト変更にも柔軟に対応できる点もメリットです。

LTE-M回線使用でどこにでも設置できる

ゲートウェイとクラウド間の通信には、ドコモなどのキャリアが提供するLTE-M回線を使用。独立システムで動作するため、客先ネットワークに組込は不要です。また、インターネットを使わず外部と遮断された固定回線で、外部からの攻撃リスクが少なくセキュリティ面でも安心です。

1台のゲートウェイに最大12台の機器が接続可能

ゲートウェイには、最大12台の通信ユニットが接続可能です。
使用料はゲートウェイごとの定額で、接続機器(通信ユニット)の台数やユーザー数は関係しないため、コストパフォーマンスのよい運用がおこなえます。

年間使用料について
ゲートウェイには、2年分の使用料が標準でついています。添付ユーティリティ使用の場合、使用料には回線契約・クラウド使用料、AWS使用料が含まれます。3年目以降、ゲートウェイ1台ごとの使用料は15,000円/年(税別)となります。 ※独自クラウドのご利用では、料金が異なる場合があります。

多彩な機器に対応

通信ユニットは、無電圧接点、RS-485、パルスカウント入力など、制御盤やメーターなどの業務用機器で採用されているさまざまなインターフェイスに対応しています。

例えば、無線化により以下のような機能を追加できます。

  • 無電圧接点:制御盤の警報信号を無線化してクラウドに送信し、担当者にプッシュ通知
  • RS-485:温度調節器の制御をRS-485を無線化してクラウドと通信、遠隔から設定温度を変更

AWSクラウド設定済み、効率的なシステム開発環境を提供

AWS対応環境とAPIゲートウェイ仕様書を提供

クラウドにはAWSを利用しています。ゲートウェイは、AWSのクラウドサービスに接続し、動作テストができる状態でお渡しします。NDA締結の上、独自のクラウドを作成するためのAPIゲートウェイ仕様書を提供します。開発者は、効率的にシステム開発を進めることができます。
 
標準で利用可能なデバイス操作や設定は、次に紹介するユーティリティの機能をご確認ください。

動作テストができるユーティリティを提供

IoT通信キットで接続した機器と、テスト通信がおこなえるスマホ用アプリをユーティリティとして提供しています。
 
アプリ利用手順

  1. ユーザーアカウントを登録します
  2. 登録したアカウントでログインします
  3. デバイスの追加をおこないます(ゲートウェイ→中継器→通信ユニット)
  4. 通信ユニットの一覧から、デバイスを選択します
  5. 各デバイスの画面から設定や履歴表示、通信テストなどをおこないます

ユーティリティで実行可能なデバイス操作と設定

通信ユニットの画面で実行可能なデバイス操作や設定は以下の通りです。無電圧接点入力/出力など各ポートの詳細仕様については、ダウンロード資料でご確認ください。
 

接点入力

DIPスイッチの各ポートの設定確認と名称の設定をおこないます。名称は通知や履歴確認の際にわかりやすくするもので、未設定の場合はポート1~5と表示されます。
DIPスイッチで設定することにより、接点入力5ポートのうちの1ポートをパルス入力にできるほか、全ポート共通でa接点(通常open)とするかb接点(通常close)とするか、検出をopen/closeの両方(両エッジ)にするか片方だけ(片エッジ)にするか選択できます。

警報イベント

ポート1~5の状態が変化したときに保存される、警報イベントの履歴を閲覧します。「接点入力」で設定しているポート名と発生日時、状態(open/close)が表示されます。片エッジの場合はいずれか一方のみが保存されます。履歴のCSV書き出しも可能です。

接点出力

2つの出力ポートの機能名と動作のON/OFF設定をおこないます。警報通知と同時に表示灯などに出力したい場合に便利です。

RS-485/RS-232通信

RS485/RS232ポートに接続されている機器と、シリアル通信をおこなうことができます。標準品はRS485ポート搭載で、RS232ポートのモデルのご用意も可能です。いずれも画面下の入力欄にコマンド(HEX文字列)を入力し、送信します。ユーティリティからボーレートやデータビット、フロー制御などの通信設定や、マクロの保存もおこなえます。

4-20mA入力

4-20mA入力ポートに接続された機器(センサー)の計測値を閲覧できます。データの計測は本体ボタンを押したときのほか、ユーティリティの画面からのワンショット計測や一定間隔ごとの定期計測でおこなわれます。

パルス計測

パルス計測の設定、および計測値の閲覧をおこないます。設定では、通知間隔やパルス幅の設定、パルスモード(a接点、b接点)の確認がおこなえます。グラフやCSV出力は、計測値と累積値に対応しています。
※パルス入力の設定については、接点入力の説明を参照ください

警報通知の設定

ログインしているスマートフォンを通知先として登録、通知の有効/無効を設定することができます。

アプリの受託開発ご相談も可能

自社工場の運用にあった専用システムを構築したい、既存のシステムと連携したい。でもシステム開発にかける人的リソースがない…。そんなときは、ラトックシステムまでお気軽にご相談ください。当社はハードウェアからクラウド、アプリまで一気通貫で開発が可能です。自社サービスのほか、受託によるクラウド連携やソフトウェア開発実績もあります。

IoT通信キットのユースケース

IoT通信キットを使ったIoT化のユースケースを紹介します。これまで人手や巡回が必要だった確認や制御を、遠隔操作や自動化することで効率化できます。
 

【排水水質のモニタリング】
自動測定データを遠隔地でまとめて確認

【サウナ室の温度管理】
巡回で確認している施設の温度管理に

【タンク内の残量モニタリング】
自動計測データを事務所でまとめて確認

【施設機器の状態把握/制御】
事務所から稼働状態を把握、自動で制御

接点入力の警報通知とログ取得+温度監視もできる「ハサレポ」

既成のシステム「ハサレポ」を使えば、接点入力からの警報と温湿度の警報通知に対応したシステムとして導入できます。通信ユニットは、無電圧接点(5入力2出力)に対応しています。ユーザー管理により、ログイン権限や通知方法(スマホ通知、メール通知)など、きめ細かく設定できます。

  • スマホ用アプリ「ハサレポ」の警報通知機能を利用
  • IoT化したい設備に通信ユニットを取り付け
  • 無電圧接点からの信号をスマホにプッシュ通知
  • ハサレポアプリで履歴確認、コメント入力、CSV出力が可能
  • ハサレポ温度センサーにより、温度の警報通知やログ取得も可能に
  • GW1台あたり年額15,000円(税別)で運用可能

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