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土壌センサーをRS-232C変換で無線化、農業IoTに活用

2024.09.27

作物の収量と品質向上に役立つ土壌センサー

農業において、作物の収量と品質を向上させるため、モニタリングツールとして土壌センサーの利用が広がっています。

土壌センサーは、土壌の水分、温度、電気伝導度(EC)などのデータをリアルタイムで提供し、生育環境を最適化するのに役立ちます。おもなメリットは以下の通りです。
 

  1. 水分量の最適化
    土壌の水分レベルを正確に把握し、必要な時に必要な量の水を供給。水資源の無駄を減らし、作物の根腐れや乾燥を防ぎます。
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  3. 肥料の最適化
    土壌のEC値をモニタリングし、肥料量をコントロール。肥料の過剰使用を防ぎ、コスト削減と環境保護に貢献します。
  4.  

  5. 土壌の健康状態を評価
    土壌温度は微生物活動にも影響を与えます。施肥や水などで適切な温度範囲にコントロールし、土壌の健康状態を維持します。

 
土壌の状態を計測し、それらの値が最適になるようコントロールすることで、農業の効率化と作物の品質を高めます。

水分、温度、電気伝導度で土壌をモニタリング

土壌センサーを用いたソリューションの一例を紹介します。土壌センサーで計測した水分、温度、電気伝導度(EC)のデータをパソコンに収集し、分析やレポートに活用。データはクラウドにも送信し、スマホで土壌の状況をモニタリングします。
 
【システム構成】

  1. 土壌センサーを圃場に設置し、土壌の状態を計測
  2. センサーデータを無線でWindows PCに送信
  3. Windows PCでデータを収集・分析、クラウドにアップロード
  4. スマホでリアルタイムにデータを確認、異常時は通知を受信

以下は、ホスト端末(Windwos PC)にセンサーデータを取り込むまでの基礎情報です。クラウドへのデータ送信、太陽光発電による電源の確保などは別途必要となるため、システム構築へ評価段階の情報としてご参照ください。

土壌センサーを無線化しPCと接続

センサーの選定とRS-232Cレベルへの変換

今回使用するセンサーは、村田製作所製の土壌センサ SLT5006です。電気伝導度、水分率、温度を計る3つのセンサーを搭載しており、土壌に埋設して使用します。長期間にわたり、土壌の温度、水分量、肥料量、水質をモニタリングする用途で展開されています。
🔗村田製作所製土壌センサ SLT5006 詳細
 

<村田製作所製 土壌センサ SLT5006>

 
今回の例では、UART仕様のSLT5006を、RS-232Cの電圧レベルに変換しています。

ハードウェア工作の詳細は、RATOC e2e Store Blogの記事をご覧ください。
🔗土壌センサとRS-SG61を使って野菜畑のIoTを作ってみる(ハードウェアの工作)

RS-232Cを920MHz帯の無線に変換

センサーを複数個所に設置しデータを収集する上で、ケーブルの敷設が難しい圃場で活用したいのが無線通信です。
センサーの無線化に使用するのは、「SubGiga RS-232C変換アダプター RS-SG61mk2」です。Windows PCに装着するUSBホストドングルが1台、RS-232C機器に装着するデバイスアダプターが2台入っています。1台のホストに対し複数台のデバイスが接続可能で(最大16台のデバイスアダプターとペアリングが可能)、複数個所にセンサーを設置するケースでおすすめです。

🔗ラトックシステム製SubGiga RS-232C 変換アダプター RS-SG61mk2 詳細
 

ホストーデバイス間は920MHz帯(SubGiga)の無線で接続。中距離通信に対応し、見通しのよいところでは最大250mの伝送が可能です。

ひとつの電源でアダプターとセンサーに給電

本製品の駆動には、外部電源が必要です。デバイスアダプターへの給電には、添付のACアダプターを使用します。デバイスアダプターのRS-232Cコネクタ9番ピンからは+5Vを出力できるため、ひとつの電源でシリアルデバイス(土壌センサー)にも給電できます。

圃場での電源確保は、長期的に使用するならソーラーパネルや蓄電池、短期のプロジェクトや小規模で使うならポータブル電源などの方法があります。

COMポートとして認識、システム構築を省力化

仮想COMポートドライバー提供

RS-SG61mk2は、Windows用の仮想COMポートドライバーを提供しています。 PCからはCOMポートとして認識されるため、既存のアプリケーションがCOMポート用の場合はそのままお使いいただけます。既存のRS-232Cインターフェイスを無線に置き換えたい、といった場合も容易に対応できます。


<デバイスアダプター2台をペアリング時の表示例>

標準APIやサンプルプログラムを活用

多くのプログラミング言語や開発環境では、COMポートを扱うための標準的なAPIが提供されています。さらにVCやVBでプログラム開発の際は、当社提供のサンプルプログラムを活用いただけます。これらにより、簡単にシリアル通信を実装できます。


<VCサンプルプログラム例>

 
Pythonを使って土壌センサーのデータをExcelの表に落とし込むプログラムついては、RATOC e2e Store Blogの記事で紹介しています。
🔗土壌センサとRS-SG61を使って野菜畑のIoTを作ってみる(ソフトウェアの制作)

常駐ツールで接続状況をモニタリング

本製品では、通信をモニタリングするための常駐ツール「SG61mk2リンクモニター」を提供。ペアリング済みアダプターのCOMポート番号やMACアドレス、電波強度などを確認できます。

まとめ

RS-SG61mk2を使用すると、中距離に点在するRS-232Cデバイスのデータを無線で収集できます。複数のRS-232CデバイスとWindows PCをワイヤレスでつなぐシステム構築において、RS-SG61mk2は非常に便利なツールです。ケーブル接続では難しかったシリアル機器のIoT化など、本製品を活用したオリジナルのサービス構築をぜひ実現してください。

関連URL

SubGiga RS-232C 変換アダプター(複数台対応品)RS-SG61mk2製品ページ
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