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産業分野でRaspberry Piを活用、組み込みに適した高品質ラズパイキャリアボードを解説

2024.02.09

Raspberry Pi Compute Moduleとは

Raspberry Pi は、学校や家庭でプログラミング学習や電子工作に使われるイメージが強いかもしれませんが、その汎用性や低消費電力、使いやすさから、組み込み機器や産業用機器でも活用が進んできています。ラズパイのラインナップの中でもカスタム用途向けとされているのが、コンピューターの中核部分(CPU、メモリ、ストレージ)のみをコンパクトにまとめた「Compute Module」です。

プログラミングや動作はRaspberry Pi と同様になりますが、コネクタや機器など必要なものはユーザーが別途用意する、カスタムメイドなRaspberry Pi です。当社製品は、そのようなお客様のお手伝いをしています。

産業向けに設計されたキャリアボード

このCompute Module を装着するための基板がキャリアボードです。キャリアボードには、Compute Moduleの機能を利用するためのインターフェイスを載せていきます。自作することもできますが、必要な電源やコネクタがあらかじめ実装されたものを使えば、パーツ選定や回路設計の手間が省け、きちんと作られたものであれば品質面でも安心です。


<キャリアボードRPi-CM3MB3へのCompute Module 装着イメージ>

 

当社ではこのキャリアボードと拡張基板を開発、販売しています。キャリアボード上にはEthernet、USB、HDMIインターフェイス、microSDスロットを搭載し、SO-DIMM(DDR2 SODIMM)スロットにCompute Moduleを挿して使用します。

当社製キャリアボードでは、産業分野で求められる「機器に組み込みやすいサイズ」「安定した電源供給」「高品質設計」を重視。これまで製造業向けにインターフェイス基板を受託開発、受注生産してきた当社のノウハウが活かされています。
 
特にラズパイ製品で懸念される、電源まわりのトラブルに配慮した設計をしています。電圧を安定化するオンボードレギュレータは5Vだけでなく3.3V / 1.8Vにも対応し、必要な電源を安定して供給します。また、基板上にはソフトウェアシャットダウンをおこなうための電源ボタンとバックアップ用のリチウムイオン電池を搭載しており、停電や電源抜き差しによるデータ破損リスクを回避できます。
 
また、搭載コネクタはKIOSK(キオスク)端末設計で実績のある高品質な部品を用いています。耐久性の面でも、安心して採用いただけます。

RPi-CM3MB3製品情報(マニュアルのダウンロードもこちらから)
 
キャリアボードのラインナップは、汎用モデル(RPi-CM3MB2)、PoE対応モデル(RPi-CM3MB2-PoE)、小型モデル(RPi-CM3MB3)の3種で、特徴は以下の通りです。(モデルによって異なります。Compute ModuleはCMと表記しています)
 

  • Raspberry Pi CM4S /CM3に対応した高品質なキャリアボード
  • 停電時、安全にシャットダウン可能なバックアップ用リチウムイオン電池搭載(RPi-CM3MB2/RPi-CM3MB2-PoE)
  • 電源のソフトウェアシャットダウンが可能、オンオフをボタンで操作
  • 5V / 3.3V / 1.8V のオンボードレギュレータを搭載、電源を安定供給
  • PoE対応のEthernetコネクタ搭載(RPi-CM3MB2-PoE)
  • CM3 Lite 用microSD スロットを搭載、ストレージ変更可能
  • CSIコネクタ、DSIコネクタを搭載
  • 小型モデルは他2モデルと比べ面積比46%減(RPi-CM3MB3)

Compute Module 4S / 3+ / 3、Lite にも対応

これらのキャリアボードは、Compute Module 3 と Compute Module 3+ 、そして後継の Compute Module 4Sで動作することを確認しています。OS起動が可能なmicroSD スロットを搭載していますので、フラッシュメモリのないLiteモデルにも対応可能です。


Compute Module 3 と Compute Module 4S

 

Compute Module は Compute Module 4 からスロット形状が変更されています。ただ、法人用途では互換性のあるハードウェアの継続需要が高く、Compute Module 3/3+ 互換のSO-DIMMスロット対応 Compute Module 4S が産業向けに限定して販売されています。

RS-485など豊富な拡張ボードをラインナップ

次に、ラズパイを産業分野で使用するために欠かせないのが、拡張インターフェイスです。当社ではラズパイの標準であるGPIO 40Pinコネクタに接続する、さまざまな拡張ボードを開発、提供しています。

  • デジタル入出力:絶縁型の8IN/8OUT対応デジタル入出力ボード(MILコネクタタイプ・端子台タイプ)
  • アナログ入力:絶縁型の8chアナログ入力、1chデジタル出力、1chデジタル入力搭載ボード(MILコネクタタイプ・端子台タイプ)
  • パルス入出力:絶縁型の16ch PWM出力、4chパルス入出力搭載ボード
  • シリアル:絶縁型のRS-485/422、RS-232シリアル通信用ボード

 

基板上のGPIOに差し込み

亀の子の形に装着します

2023年には、Modbus対応のRS-485拡張ボードRPi-GP70を投入しています。

 
これらのラインナップはすべて当社内で設計、開発を行い、日本国内で生産しています。
関連ソフトウェアも自社開発のため、万全のサポート体制を提供可能です。
Raspberry Pi 関連製品の総合サイト「Triple-R」を開く

IoT分野でもラズパイが活躍

ラズパイでは、WEB開発でもメジャーなPythonが開発言語として使われることが多く、IoT機器への組み込みや活用が広がっています。

当社サイトでは、当社ラズパイ製品からのデータをクラウドに送信したり、クラウドから取得したりするWEBアプリケーションのサンプルを提供しています。テスト用のクラウドスペースも用意できますので、興味がありましたらこちらもぜひチェックしてみてください。
Modbusスレーブアプリ、クラウド用テストアプリ提供

Triple-R 関連URL

Triple-Rは「Recipe for Raspberry Pi by RATOC」の3つのRを表しています。IoT時代のエッジコンピューティングを実現する「Triple-R」シリーズは、産業機器、組込機器の導入に適した Raspberry Pi 製品群です。耐久性に優れた自社設計のキャリアボードのほか、レガシーインターフェイス製品が充実しています。