本日、2023年6月より酒造現場向け「もろみ日誌クラウド」に新たな温度管理のサービスを追加する旨の発表をおこないました。
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もろみ日誌クラウドは、日本酒造りで重要と言われている酒造3工程の品温管理をサポートするソリューションです。麹、酒母、もろみの品温を自動でクラウドに記録、酒税法の記帳事項に対応した経過簿や製造帳の帳票出力にも対応し、手書きを減らすことで現場負担を軽減しています。また、遠隔からスマートフォンで麹、酒母、もろみの品温確認や設定温度の変更、通知受信がおこなえるため、現場から離れているときも臨機応変の対応が可能で、酒質の安定化にも貢献しています。
この度、これら酒造3工程に加えて、さまざまな場所の温度を自動で記録、遠隔から監視できる「温度管理モード」機能を盛り込みました。酒造りの工程だけでなく、酒米などの原料や瓶詰めした商品を保管する倉庫、冷蔵庫、冷凍庫などの温度管理もまとめてもろみ日誌クラウドでおこなうことが可能になりました。
使用する無線システムとアプリは従来と共通で、新たに追加が必要なのは温度センサーのみ。ライセンスも共通で、本機能追加によるオプション費用などは発生しません※。もろみ日誌クラウドの導入環境では、酒造り現場全体の温度管理DXを低コストでおこなうことが可能になりました。
※ゲートウェイを追加する場合は、複数台ライセンスでの対応となります(ゲートウェイ接続可能台数は最大4台)
酒造りは、外気温が低い冬に発酵の温度管理をコントロールする「寒造り」が主流です。最近では安定的な品温管理をおこなうため、蔵自体を温度管理したり、蔵を冷蔵設備化し1年を通して酒造りをおこなう四季醸造も増えています。さらに、瓶貯など製品保管用の冷蔵庫導入も増えており、酒造工程以外でも温度管理が求められています。
また、日本酒の輸出が拡大しているなかで、輸出先から食品業界で制度化されたHACCP認証を求められることもあります。HACCP取り組みでは衛生管理のほか、材料や製品の保管温度を日々計測し記録する作業が必要です。酒造りに加えてこれらの温度管理を人の手でおこなうことは、働き方改革を進める酒造現場の負担にもなります。
当社は、HACCP運用の温度記録、監視の省力化ソリューションとして、自動温度管理システム「ハサレポ」を展開しています。今回のもろみ日誌クラウドのアップデートでは、ハサレポで実現している機能を融合。酒造3工程に特化していたもろみ日誌クラウドを、酒造り現場の温度管理をトータルで支援するソリューションとして提供するに至りました。
酒造3工程(麹・酒母・もろみ)の品温は事績ごとに自動で記録。温度管理モードでは、場所ごとの温度を自動で記録、管理します。10分ごとの自動計測できめ細かく温度変化を可視化でき、通知で早期に異常や変化を知ることが可能です。記録と監視の自動化により、酒造りおよびHACCPの取り組みで重要な温度の確認、記録、帳票作成にかかる労力を大幅に削減します。
センサー、ゲートウェイ、アプリ、クラウド、通信費、必要なシステムをワンパッケージで提供します。 品温や温度を測るセンサーは電池駆動の無線接続で、電源や配線工事は不要。ゲートウェイはセルラー(LTE-M)回線使用で、新たな通信設備も必要ありません。ゲートウェイとセンサー間の通信距離は見通し1000mで、1台のゲートウェイに最大12台のセンサーが接続可能です(いずれも中継器使用時の最大値)。
さまざまな機器、装置のIoT化にも活用可能です。もろみ日誌クラウドは、醸造機器にあとづけで無線通信の機能を追加することで、クラウド経由での遠隔監視を実現します。既存タンクや品温管理盤に搭載された温調器に追加する「RS-485通信ユニット」は、計測した温度の自動記録、スマホでの異常通知受信、設定温度の変更を可能にします。醸造機器の警報出力(無電圧接点)を受信する「もろみ警報ユニット」は、スマホやメールでの警報通知を追加するデバイスです。
従来は現地でおこなっていた確認や設定をスマホに置き換えることで、足を運ぶ頻度を大幅に削減できます。