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職場の熱中症対策が義務化、今すぐ実践できる方法を解説

2025.05.23

IoTで温湿度を可視化、リスクを早期検知

職場における熱中症対策の強化が義務化

2025年6月1日から、労働安全衛生規則の改正に伴い、労働現場での熱中症対策が義務化されます。高温多湿の環境下で長時間作業することは、従業員の健康に大きなリスクをもたらします。厚生労働省発行の対策ガイドラインでも、事前の体制整備や環境管理の重要性が強調されています。
 
熱中症対策は、従業員が安全に業務を遂行できる環境を確保するための施策です。現場では、暑さ指数(WBGT)の算出などにより熱中症リスクを評価し、必要な対策を講ずる必要があります。違反した場合、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があり、早期の対応が不可欠です。

室内の熱中症対策とIoT活用のご提案

現場での熱中症対策として、事業者には「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」が義務付けられます。対象となるのは「WBGT28℃以上または気温31℃以上の環境下で連続1時間以上または1日4時間を超えて実施が見込まれる作業」の場合です。実際には、作業内容に応じたリスク管理や作業員の体調チェックが必要となります。


厚生労働省「職場における熱中症対策の強化」より引用(PDF)

 

ガイドラインでは、熱中症のおそれがある作業員の早期発見対策として、現場巡視などがあげられています。しかしながら手作業での気温・湿度計測や巡視作業は、人的負担が大きく見落としも発生しがちです。そこで、計測と記録、自動化が得意なIoTセンサーを活用します。IoTセンサーの導入で、温度・湿度の可視化や異常値発生時の迅速な対応をおこない、リスク発生を未然に防ぐ環境づくりを推進します。

すぐに実施可能な対策:市販IoTデバイスの活用法

熱中症対策の義務化に伴う対策は、発生リスク低減の対策と、発生してからの対応策にわけられます。

今回は、事務所や工場、倉庫など室内での熱中症発生リスクを低減する対策として、すぐ実施可能なIoTデバイスを活用した方法を3つご紹介します。いずれも入手が容易な市販品を使っており、早期に実行可能です。

【1】Wi-Fi温湿度センサーとWindowsアプリでリスクを可視化

概要

 
RS-WFCO2は、温度と湿度、二酸化炭素濃度を高精度に計測するセンサーです。専用のWindowsアプリを使って室内の計測値を表示、さらにWBGT簡易推定図に基づいて熱中症リスクを表示します。熱中症リスクは4段階で示され、現場の状況を直感的に把握できます。

 

【Windowsアプリの環境リスク表示】
【WBGT簡易推定図】

出典:「日常生活における熱中症予防指針」Ver.4(PDF)

メリット

  • リアルタイム監視 温度・湿度の状態を常時把握。異常値発生時はアラートやメール通知も可能。
  • WBGTによるリスク評価 温度と湿度からWBGT値を簡易算出し、視覚的に熱中症リスクを提示。
  • データを蓄積 データはクラウドに保存され、CSV形式で取得できます。

主な機能

自動記録 〇、計測値表示(PC/スマホ) 〇、熱中症リスク表示 〇(PC)、CSV保存 〇、遠隔監視 〇、異常通知 〇、エアコン制御 ×
※PC/スマホはいずれか選択となり同時使用はできません

導入予算

1台あたり1万円程度(クラウド使用料はかかりません)

導入条件

Wi-Fiルーター接続環境が必要

関連情報

Wi-Fi CO2センサー RS-WFCO2 製品情報
熱中症と二酸化炭素濃度の警戒タイミングをIoTで見える化

 

Wi-Fi環境への接続が難しい職場にはLTE-M 接続センサー

 
Wi-Fi接続が難しい場所でも、LTE-M接続のセンサーを使えば、モバイル通信を介して温度・湿度データを取得可能。リアルタイムのモニタリング体制を構築できます。
詳しい導入方法については、SORACOM IoTレシピ「IoT で熱中症リスクを多言語でお知らせ」(SORACOM社サイト)をご参照ください。

【2】時計付き温湿度計で温湿度チェックを習慣化、ログを収集

概要

 
スマート温湿度計 RS-BTTHM1は、時刻表示付きの温湿度ログ取得デバイスです。本体搭載モニターに、現場の温湿度と時刻を常時表示します。作業員は時間を確認する際、温湿度も自然とチェック。計測時刻と温湿度のデータは本体に蓄積し、スマホとのBluetooth通信によりCSV形式での取得が可能です。

メリット

  • チェックの習慣化 作業員が時刻を見る際に温湿度も確認でき、習慣化がすすみます。
  • スタンドアローン運用 Wi-Fi不要で、内蔵メモリーに最大半年分の温湿度ログを保存します。
  • 電池駆動で簡単設置 外部電源が不要で、現場どこにでも手軽に設置できます。

主な機能

自動記録 〇、計測値表示 〇、熱中症リスク表示 ×、CSV保存 〇、遠隔監視 ×、異常通知 ×、エアコン制御 ×

導入予算

1台あたり5,000円程度

導入条件

特になし(Wi-Fi、外部電源不要)

関連情報

デジタル時計搭載スマート温湿度計 RS-BTTHM1 製品情報
10分で始める温度記録のデジタル化

【3】スマートリモコンで温湿度を条件にエアコン制御

概要

 
smalia(スマリア)スマートリモコンは、赤外線リモコンで操作が可能な電化製品(エアコン、工業扇、除湿器など)のIoT化を実現するデバイスです。温湿度センサーを搭載し、スマホを使った操作のほか「温度が28℃を超えたらエアコンを冷房24℃に設定」といった自動化もおこなえます。さらに、追加センサーを有人エリアに置くことで、的を絞った温湿度管理が可能になります。

メリット

  • 電化製品の自動制御 指定の温湿度を超えると、リモコン信号を発信し電化製品を制御します。
  • 有人エリアを計測 作業場にセンサーを設置。有人エリアのリスクを効果的に低減します。
  • 連携の柔軟性 複数台のセンサーや電化製品を連携し、複数のシーン(条件と操作)登録が可能。

※エアコン制御は赤外線リモコンで操作可能な機種に限ります(ワイヤードリモコンで操作する業務用エアコンは使用できません)

主な機能

スマートリモコン単体:(温湿度を条件に設定可)
自動記録 ×、計測値表示 〇、熱中症リスク表示 ×、CSV保存 ×、遠隔監視 〇、異常通知 〇、エアコン制御 〇
 
スマート温湿度計との組み合わせ:(温湿度を条件に設定可)
自動記録 〇、計測値表示 〇、熱中症リスク表示 ×、CSV保存 〇、遠隔監視 〇、異常通知 〇、エアコン制御 〇
 
環境センサーとの組み合わせ:(温湿度、CO₂濃度を条件に設定可)
自動記録 ×、計測値表示 〇、熱中症リスク表示 ×、CSV保存 ×、遠隔監視 〇、異常通知 〇、エアコン制御 〇

導入予算

スマートリモコン単体8,000円程度、スマート温湿度計セット1万円程度、環境センサーセット2万円程度

導入条件

Wi-Fiルーターに接続できる環境が必要

関連情報

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エアコンのIoT化で省電力運用!遠隔操作&自動操作が可能なスマートリモコン
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IoTを活用した熱中症対策まとめ

職場向けの熱中症対策は事業者の義務であり、従業員の安全を確保するために必要です。IoT技術を活用したデバイスなら、低コストで即導入が可能です。従来は体感に頼っていた温湿度管理を、デジタル化で見える化。これにより、職場環境の整備を進め、熱中症リスクを低減することができます。まずは手軽に始められる温湿度センサーで、安全な職場づくりに取り組みませんか。

関連URL

本ページで紹介した製品は、当社直販サイトをはじめ、主要な通販サイト、大手家電量販店などで1台から購入いただけます。
(LTE-M接続センサー除く。SORACOM IoTストアにて販売し、1台から購入可能です)
 

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