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もろみ日誌と連携!品温管理機器の使い勝手そのままIoT化

2021.09.24

酒質を決める重要な要素、温度管理

酒造りには数多くの工程がありますが、その中でも製麹、酛造り、もろみ造りでは培養・発酵の進行をコントロールするための温度管理が必要です。仕込み期間中、杜氏や蔵人は蔵までこまめに足を運び、タンクひとつひとつの温度を確認、必要に応じて温度の調整をおこないます。

 

品温管理をIoT化する「もろみ日誌」

ラトックシステムの酒造品温モニタリングシステム「もろみ日誌」は、酒造業界向けに開発した品温管理のIoTサービスです。
 
それまで、蔵に行って人の手でおこなっていた麹・酒母・もろみの品温確認と記録をIoT化します。センサーで品温を自動計測し、離れた場所からパソコンやスマホで品温を確認したり、設定範囲を超えたときはアラート通知を受信します。

もろみの品温を冷却水で自動制御

一方、醸造用タンクには冷却水で温度の制御を自動化するものがあります。「電磁弁サーモセット」や「クーリングタンク」に備え付けの温度センサーで計測、設定温度をもとに冷水の循環をコントロールします。ここでは、タンクの中身の品温を測って、冷却水で自動制御するこれらの機器をまとめて「品温管理機器」といいます。

品温管理機器メーカーとの協業を発表

当社は第一工業株式会社(以下「第一工業」)および株式会社NYK西日本(以下「NYK西日本」)との協業を発表しています(2021年9月現在)。新たに開発した変換ユニットを品温管理機器に組み込み、IoT通信機能を追加します。機器で測った品温はクラウドに送られてデータを蓄積。遠隔からスマホで品温を確認したり、設定温度を変更したりすることもできるようになります(設定温度の変更は、今後対応予定です→21年10月、設定温度の変更に対応しました)。
 

▼ 第一工業製電磁弁サーモセットとクーリングロール ▼
電磁弁サーモセットはコンパクトなハンディータイプで、必要なタンクに適用します。
▼ NYK西日本製樹脂ライニングタンク型クーリングタンク ▼
樹脂ライニングタンクは冷却効率がよく繊細な温度制御が可能です。

第一工業は冷凍機応用製品の設計製作・販売施工をされており、酒造メーカー向けには、クーリングタンクやタンクに品温管理機能をあとづけする「デジタル式電磁弁サーモセット」などを製品化しています。NYK西日本は日本容器工業グループの一員として、無溶剤エポキシ樹脂によるライニングタンクの製造・販売を手掛けています。
 
機器メーカーがいちからIoT対応の装置・システムを構築すると、ハード・クラウド・アプリすべての開発が必要となります。今回の協業ではすでに製品化している品温管理機器に新規開発の変換器を接続、スマホでの確認等はもろみ日誌のシステムを使うことで、効率的にIoT化進めています。
 
既存装置を改造してIoT対応としますので、導入済みのお客様も設備を入れ替える必要がなく、使い勝手そのままに少ない負担でアップデートできることもメリットです。

ラトックシステムができること

ラトックシステムは、長年PC周辺機器のインターフェイスを開発しています。変換器では、RS-485(シリアル)経由で受け取った温度データをWi-SUN(920MHz帯無線)に変換し、ゲートウェイを介してもろみ日誌のクラウドに渡します。レガシーインターフェイスを含む基板設計とAWSクラウド構築の両方ができるのは、弊社の強みのひとつです。

 
今後は、もろみ日誌のユーザー様からも要望があった「スマホで温度コントロール」に対応予定。その場にいかなくても、もろみ日誌のアプリから品温制御機器の設定温度を制御できるようになります。
 
また、RS-485マルチドロップへの対応も予定。たとえばひとつの操作盤で複数タンクの温度管理をしている構成では、操作盤に変換ユニットを1台追加するだけで複数タンクの品温確認や設定変更が可能に。各タンクに変換ユニットを導入するより無線構成がシンプルになり、導入コストをおさえることができます。

他装置やシステムへの応用

もろみ日誌は温度のモニタリングのほか、分析値を含めた仕込みデータも合わせてデータベース化します。関連データのグラフ化、税務上義務付けられている帳票の自動生成にも対応し、事績管理を統括的にサポートします。
 
引き続きIoT化を進めたい装置メーカーや酒造管理ソフトウェア各社と連携し、相互に強みを高めていける取り組みを強めていきます。

 

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